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この記事の要点(タップで開く)
【要点サマリー】
・新政権の「責任ある積極財政」で危機管理投資と成長投資を加速、政策主導セクターに追い風。
・金融緩和継続×財政拡大は円安・長期金利上昇のリスクを伴い、セクター間の二極化が進む可能性。
・注目の6テーマ=防衛・半導体/先端・サイバー・次世代原子力/再エネ・ペロブスカイト・国土強靭化。
【本記事の独自ポイント】
・政策の資金配分がもたらす業績ドライバーを“セクター別”に整理。
・マクロ(円安・金利)と企業収益の繋がりをリスク/機会で同時提示。
・個別例示:三菱重工/川重、東エレ/アドテスト/信越化、FFRI/CSC、積水化/伊勢化、インフロニア/ショーボンド。
※本記事は情報提供であり、投資勧誘を目的とするものではありません。
2025年10月4日、高市早苗氏が自民党総裁選で勝利したニュースを聞いて、「これで私たちの生活はどうなるのだろう?」「投資している株価にどんな影響が出るの?」と疑問に思った方も多いのではないでしょうか。
この総裁選での転換は、単なる政治的な出来事にとどまりません。日本の経済政策の「決定的な転換点」であり、これまでの財政健全化路線とは大きく一線を画す「サナエノミクス」という新たなパラダイムが始まったことを意味します。
この政策は、あなたの給料、物価、そして保有する株や不動産の価値にまで、今後数年にわたって深く関わってきます。
今日から私たちは、市場が二極化するという、極めて不安定ながらもチャンスに満ちた時代を生きることになるからです。
このレポートでは、高市新政権の政策が私たちの社会と市場に何をもたらし、どこに大きなビジネスチャンスが生まれるのかを、初心者の方にも分かりやすく解説します。
財政の常識がひっくり返る!「責任ある積極財政」とは?
高市氏が掲げる「サナエノミクス」の中核にあるのは、「責任ある積極財政」です。
これは、国の総合的な力を強化するため、「危機管理投資」と「成長投資」に大胆に財政資金を投入していく方針です。従来の政権が重視してきたプライマリーバランス(PB)黒字化目標(国の借金増加を止めようという目標)よりも、国の防衛力や経済の成長力を優先する考え方です。
これを聞くと、「日本経済が強くなるならいいことだ!」と思うかもしれません。しかし、政権発足までの道のりには、戦略的な「現実主義的転換」がありました。
<政治の舞台裏:野党政策を戦略的に採用>
高市氏は、国会運営の合意形成を円滑にするため、選挙戦の過程で野党が掲げてきた複数の政策を公約に取り込みました。これは、政策の実現可能性を高めるための計算された戦略でした。
- ガソリン減税:物価高対策としてガソリン税・軽油引取税の暫定税率を廃止すると明言しました。
- 年収の壁引き上げ:働く意欲を後押しするため、労働供給の拡大を目指す政策を採用しました。
- 給付付き税額控除:かつての消費税減税案を取り下げ、代わりに低所得者層への手厚い支援を可能にする「給付付き税額控除」の制度設計に着手するとしました。
これらの政策は、政権基盤を固めるために補正予算を通じて迅速に実行される可能性が高く、内需(国内の消費)を刺激する「政策期待」を生み出しました。
あなたの家計を直撃する?「円安・金利上昇」の二重苦リスク
積極財政は、成長の期待と同時に、大きなマクロ経済的なリスクを内包しています。
特に注目すべきは、通貨と金利の動きです。
1. 「高市トレード」と止まらない円安
高市氏は金融緩和の継続を強く支持すると予想されており、積極的な財政出動とハト派(金融引き締めに消極的)な中央銀行の組み合わせは、円安をさらに加速させる典型的な処方箋だと市場は見ています。
この見方は「高市トレード」と呼ばれ、総裁選勝利直後から、さらなる円安・株高(特に輸出企業)のシナリオが強く意識されています。
- 生活への影響:円安は輸出企業(トヨタやソニーなど)にとっては有利ですが、私たち消費者にとっては、輸入物価(エネルギー、原材料、食料など)の高騰、つまりコストプッシュ型のインフレを招きます。これが実質賃金(手取りの購買力)を侵食し、スタグフレーション(不況とインフレの同時進行)的な状況を招くリスクが指摘されています。
2. 長期金利が急騰する可能性
財源の裏付けがない大規模な国債発行が必要となれば、長期金利に上昇圧力がかかります。
日本の国債の格付け(ソブリンリスク)への懸念も高まり、大規模な補正予算が組まれた場合、長期金利が急騰する可能性があるとアナリストは警告しています。
- 市場への影響:金利が上昇すると、銀行や保険会社(三菱UFJ、三井住友FGなど)の収益機会となります。一方で、金利上昇に脆弱な不動産セクターや、高成長を期待されてきたハイテク株などは大きな打撃を受けることになります。
儲けのチャンスはここだ!国策が後押しする「6つのコアテーマ」

マクロ経済が不安定でも、政府が「成長投資」として資金を集中投下する分野には、強力な追い風が吹きます。今後の日本市場は、まさに「政策と連動する国内セクター」への集中的な投資が必要となります。
ここでは、市場をアウトパフォーム(市場平均以上の成績を出すこと)する可能性が高い6つのテーマを紹介します。
1. 防衛・航空宇宙:「GDP比2%」の恩恵
高市氏は、防衛費をGDP(国内総生産)の2%に引き上げるという明確なコミットメントを掲げています。地政学的な緊張の高まりを背景に、この分野は構造的な成長が見込まれます。
- 注目銘柄の例:戦闘機や護衛艦、ミサイルシステムを手掛ける三菱重工業 (7011)、潜水艦や哨戒機を製造する川崎重工業 (7012)など。
2. 経済安全保障 I:半導体・先端技術の国産化
サプライチェーンを強靭化し、国際競争力を確保するため、半導体やAI、量子技術といった戦略分野への積極的な国家支援が行われます。
- 私たちの社会とのつながり:半導体はスマートフォンや自動車、AIの「頭脳」です。この国産化は、いざという時の供給途絶リスクから私たちの社会インフラを守ることにつながります。
- 注目銘柄の例:製造装置の東京エレクトロン (8035)や、テスト装置のアドバンテスト (6857)、シリコンウェーハの信越化学工業 (4063)など。
3. 経済安全保障 II:サイバーセキュリティ
高度なサイバー攻撃や偽情報に対応するため、技術開発と関連産業群の構築が急務とされています。
- 注目銘柄の例:官公庁への導入実績を持つFFRIセキュリティ (3692)や、クラウド型WAFでシェアを持つサイバーセキュリティクラウド (4493)など。
4. エネルギー安全保障:次世代原子力・核融合
エネルギー自給率100%を目指し、次世代革新炉(SMR)や核融合炉の早期実装が強力に推進されます。
- 注目銘柄の例:プラント開発の中核を担う三菱重工業 (7011)や日立製作所 (6501)など。
5. エネルギー安全保障:日本発「ペロブスカイト太陽電池」
高市氏が明確に支援を表明しているのが、日本発の技術であるペロブスカイト太陽電池です。これは、薄くて曲げられる「フィルム型」の次世代太陽電池として期待されており、巨大な市場規模が見込まれています。
- 注目銘柄の例:フィルム型電池を開発する積水化学工業 (4204)、そしてその必須原材料であるヨウ素を生産する伊勢化学工業 (4107)(世界的な大手生産企業)など。
6. 国土強靭化:防災とインフラ再生
AIや衛星データ解析を活用し、老朽化したインフラの更新や気候変動リスク管理に焦点を当てた「令和の国土強靭化」が推進されます。
- 注目銘柄の例:道路やトンネル建設のインフロニア・ホールディングス (5076)、インフラ補修に特化したショーボンドホールディングス (1414)など。
結論:これからの投資家に求められること
高市新政権の誕生は、経済政策における大きな方向転換であり、特定の企業にとっては構造的で説得力のある成長機会を創出します。
一方で、財政への懸念や金利上昇、不安定な円相場というマクロリスクは、市場全体にボラティリティ(変動幅)の増大をもたらします。
これからの市場では、単純なインデックス投資(市場全体に分散すること)の時代は終わりを告げ、国の優先事項に沿ったテーマを的確に選び、集中的に投資するアクティブでテーマ主導の戦略が不可欠となります。
私たちが日々の生活で感じる物価高は、まさにこの政策と為替の動きの直接的な影響です。投資をするにせよ、しないにせよ、「なぜ社会の仕組みや株価が動いているのか」を理解することは、自分の資産と生活を守るための第一歩となるでしょう。「なるほど、自分にも関係ある」と感じていただけたなら幸いです。
チェックリスト(再現用)
- 政策整合性:補正/予算方針と各テーマの資金配分が一致しているか
- 収益感応度:為替(円安)・金利上昇・資材価格の感応度を確認
- 成長の質:補助金依存ではなく受注/稼働率/粗利率で裏づけ
- 財務安全性:投資CF・ネット有利子負債・格付リスクの点検
- ガバナンス:減損テスト、監査体制、希薄化イベントの有無
- 株主還元:配当/自己株/設備投資のバランスが中期方針と整合
参照資料(一次情報)
政府の政策公約・経済対策関連資料/各省庁の施策公表/企業の決算短信・決算説明資料・適時開示(直近)。本記事の図表・要約は当サイトの独自作成。

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