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この記事の要点(クリックで展開)
- 米国発の「ビットコイン・トレジャリー戦略」が日本の上場企業でも加速。
- メタプラネット:BTCを財務中核、KPIにBTCイールド。25,555 BTC(2025/9/22報道)まで積み増し、21万BTC目標。社債や新株予約権など資本市場と連動。
- リミックスポイント/コンヴァノ:資金調達と連動した取得。リミックスポイントは約1,350 BTC、コンヴァノは「21,000 BTC計画」(〜2027/3)。
- ネクソンなど長期保有の先行例、他にも保有を公表・報道された企業が拡大。
- 2025年は数ヶ月単位で保有量が急増。資金調達→BTC購入→企業価値連動の回路が特徴。
- 投資上の留意:発行条件(希薄化/アンチ・ダイリュート)、BTC価格と為替、会計・規制、情報の更新頻度。
近年、米国でマイクロストラテジー社が牽引した「ビットコイン・トレジャリー戦略」、すなわち企業がビットコインを主要な財務準備資産として大量に保有し、これを株主価値向上と連動させる経営手法が、日本の東証上場企業の間でも急速に広がりを見せています。これは単なる余剰資金の投資にとどまらず、企業の経営モデルや資本戦略そのものを変革しようとする動きであり、特に2025年にかけてその動きは顕著になりました。
この戦略を推進する企業群は、証券コードや上場市場が多岐にわたりますが、その戦略の具体性や実行力において注目すべきいくつかの企業が存在します。

I. 新たな経営モデルを掲げるパイオニア:メタプラネット
この動きの最も象徴的な存在が、東証スタンダード市場に上場するメタプラネットです。同社は明確に「ビットコイン財務準備資産を中核に据える」という方針を打ち出しており、この戦略が単なる保有を超えたものであることを示しています。
メタプラネットの戦略は、単に大量保有を目指すだけでなく、「BTCイールド」を重要業績評価指標(KPI)に設定し、株主価値とビットコイン保有比率を連動させるという、これまでにない経営モデルを公表しています。
保有量の拡大スピードも驚異的です。同社は2024年初期の約117 BTCから保有を開始しましたが、2025年にかけて急速に積み増しを行いました。
時系列で追うと、2025年3月時点で約4,046 BTC、2025年6月には8,888 BTC、そして2025年9月22日時点の報道では、25,555 BTCという巨額の保有量に達しています。この際の通算取得額は約3,982億円、平均取得価格は約1,558万2,433円と報じられています。
さらに、同社は野心的な将来目標を掲げており、2027年末までに21万 BTCの保有を目指す計画を公表しています。この購入資金は、主に社債発行や新株予約権の発行といった、資本市場からの資金調達手法を活用して賄われています。極めて短期間で巨額のビットコインを財務資産に組み入れたその実行力は、日本企業におけるビットコイン戦略の急進的な変化を物語っています。
II. 財務戦略と連動した着実な積み増し:リミックスポイントとコンヴァノ
メタプラネット以外にも、財務戦略と暗号資産の取得を連動させている企業として、リミックスポイントとコンヴァノが挙げられます。
東証スタンダード市場に上場するリミックスポイントは、新株予約権の行使代金を活用し、財務戦略と連動させてビットコインの購入を進めていると報じられています。同社も2024年9月頃から本格的に暗号資産の取得を始めたとされ、2025年5月以降、複数回にわたる追加購入が公表されています。
2025年9月18日の報道時点では、総保有枚数は約1,350 BTC、取得総額は約203億円に達しています。平均取得単価は約1,490万円台と、着実に保有量を積み上げていることが確認できます。
一方、東証グロース市場に上場するコンヴァノも、大規模なビットコイン戦略を公表しています。同社は「21,000 BTC 財務補完計画」を立てており、2027年3月末までに保有を拡大する構想を明示しています。
具体的な購入資金の調達については、社債発行などの資金調達と自社資金を組み合わせて進める計画を公表しています。2025年8月時点での保有報道は約520 BTC、累計取得額は約104億円に上るとされています。この際の平均取得単価は約1,698万円であり、比較的高水準での取得も見られます。
III. 多様な戦略と市場の広がり
日本の上場企業によるビットコイン保有は、上記のような戦略的な取り組みに限定されません。既に長期保有の姿勢を維持している企業もあります。
東証プライム市場に上場するネクソンは、2021年4月に約1億ドル相当の1,717 BTCを取得しており、以来、長期保有方針を継続しています。これは、昨今の「財務準備資産」戦略が流行する以前からの、安定した保有例として位置づけられます。
また、報道ベースの保有ランキングには、他にも複数の企業が名を連ねています。例えば、ANAPホールディングスが1,111 BTC、エス・サイエンスが296 BTC、ジーイエットが106 BTCを保有しているとの情報が報じられています。さらに、微小保有例としてアジャイルメディア・ネットワークの1.28 BTCやAIフュージョンキャピタル・グループの24 BTCといった例も確認されています。ただし、これらの企業の多くについては、メタプラネットやリミックスポイントのように、資金調達戦略や取得額の詳細な時系列は公表されていません。
注目すべきは、保有を継続しない選択をした企業も存在することです。当初ランキングに含まれていたバリュークリエイションについては、2025年10月上旬時点で売却済みとの情報があり、保有戦略の維持の確実性は一様ではありません。
IV. 2025年の時系列的な特徴
これらの情報を総合すると、日本の上場企業によるビットコイン戦略の多くは、2025年にかけて極めて急速に進展していることが明らかになります。
特に、メタプラネットやリミックスポイントの時系列的な保有推移を追うと、2025年前半から後半にかけて、数ヶ月単位で保有量が数倍、数十倍に膨れ上がっていることが確認できます。この急速な買い増しの背景には、社債や新株予約権といった資本市場での直接的な資金調達が活用されており、市場の変動リスクを取り込みながら、積極的に財務体質の変革を目指す姿勢が読み取れます。
ビットコインを財務準備資産の核に据え、それを株主価値に連動させるという戦略は、従来の日本企業の財務運営からは大きく逸脱しています。これらの企業は、ビットコインの将来的な価値上昇を、自社の企業価値向上に直結させるという、大胆な賭けに出ていると言えるでしょう。各社が掲げる野心的な将来目標(メタプラネットの21万 BTC、コンヴァノの21,000 BTC)の達成に向けた今後の動向と、それらが株価に与える影響は、今後の日本株式市場および暗号資産市場における最大の注目点の一つとなるでしょう。
主要企業の概要(サマリー表)
| 企業名 | 上場市場 | 主な方針・計画 | 保有量(時点) | 累計取得額/平均単価 | 資金調達・施策 |
|---|---|---|---|---|---|
| メタプラネット | 東証スタンダード | ビットコインを財務準備資産の中核、BTCイールドをKPI | 約25,555 BTC(2025/9/22報道) | 約3,982億円 / 平均約1,558万2,433円 | 社債・新株予約権などで調達、2027年末までに21万 BTC目標 |
| リミックスポイント | 東証スタンダード | 財務戦略と連動した着実な積み増し | 約1,350 BTC(2025/9/18報道) | 取得総額約203億円 / 平均約1,490万円台 | 新株予約権の行使代金を活用 |
| コンヴァノ | 東証グロース | 「21,000 BTC 財務補完計画」(〜2027/3末) | 約520 BTC(2025/8時点報道) | 累計約104億円 / 平均約1,698万円 | 社債等の調達+自社資金 |
| ネクソン | 東証プライム | 2021年に長期保有方針を表明 | 1,717 BTC(2021/4取得) | 約1億ドル相当(当時) | 長期保有継続方針 |
| ANAPホールディングス | — | 報道ベースの保有 | 1,111 BTC | — | — |
| エス・サイエンス | — | 報道ベースの保有 | 296 BTC | — | — |
| ジーイエット | — | 報道ベースの保有 | 106 BTC | — | — |
| アジャイルメディア・ネットワーク | — | 微小保有例(報道) | 1.28 BTC | — | — |
| AIフュージョンキャピタル・グループ | — | 報道ベースの保有 | 24 BTC | — | — |
| バリュークリエイション | — | 当初ランキングに含まれるも売却済み(2025/10上旬時点情報) | — | — | — |
参考資料/一次情報
- 各社のIR・適時開示(決算短信・説明会資料・資金調達・暗号資産取得の開示)
- TDnet/金融商品取引法に基づく有価証券報告書・臨時報告書 等
- 各社ウェブサイト・プレスリリース、決算説明会での発言要旨
- 主要メディアの報道(取得枚数・平均取得単価・時点の確認)
- オンチェーン/市場統計の一般指標(必要に応じた整合確認のみ)
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